About fasting
日本人の食生活は、古くから米や野菜、魚などの食品が中心でした。
しかし、昨今では食の欧米化が進んだことにより、動物性たんぱく質や脂質を摂取する機会が増え、
逆に食物繊維などの重要な栄養の摂取量が減少し、栄養バランスの乱れが懸念され続けています。
また、食の近代化が進むにつれて増えた加工食品には、多くの添加物が含まれており、この添加物
の蓄積が身体へ大きな負担を生み出す負の体質の原因と言えるでしょう。
このような負の体質の方は、栄養を全身に巡らせる力や代謝が弱くなってしまうと言われています。
代謝の低下により老廃物や有害な物質などが体内に蓄積され、生活習慣病などの原因となってしま
いますので、不要な物を体外に排出して栄養を吸収できる健全な体を目指すことが大切です。
消化には、約80%のエネルギーが消費されています。
過食には多くのエネルギーを費やすため、体に大きな負担をかけます。
揚げ物や肉中心の食事は、腸内の悪玉菌を増殖させるため、免疫力の低下につながります。
加工食品などに含まれる食品添加物や、野菜などに付着する農薬は、体外に排出するまでに
手間がかかり、体に負担がかかります。
就寝前に食事をすると、睡眠中に消化器官が休まらず、体への負担が増大します。
How to eat
ファスティングは、乱れた食生活によって弱まった免疫力をアップさせる、究極の予防医学です。
胃腸などの消化器官を休ませ、身体の調子を整える効果があるため、年に2~3回を目安にファスティングを習慣化させることが推奨されています。
ファスティングの効果をより発揮させるためにも、栄養バランスがとれた消化の良い食事を続けることが重要とされています。
タンパク質や脂質、炭水化物の三大栄養素と、ビタミン・ミネラルといった微量栄養素を摂取しながら、一日の総摂取カロリーを通常の60~70%にすることにより、寿命が延びるといわれています。
長寿遺伝子(サーチュイン)のスイッチが入ると免疫力が高まり、肌の若返りにつながります。
微量栄養素が豊富な食品を選ぶ食生活を心がけることが大切です。
体内で脂肪酸バランスが崩れると、アレルギーや生活習慣病の原因となります。
現代人が過剰に摂取しているコーン油などのオメガ6系の脂肪酸を減らし、
不足しているオメガ3系の脂肪酸を補うことが大切です。
脳には約1000億もの神経細胞が集結しており、脳の働きに必要とされるのがオメガ3系の脂肪酸といわれています。
亜麻仁油などを積極的に取り入れて、マーガリンなどのトランス脂肪酸の摂取を控えることが大切です。
動物油脂や一部の植物油
(ココナッツ油、ヤシ油など)
減らすようにする
植物油を原料とした、油の性質を
変えたもの(マーガリンなど)
食べないようにする
オメガ3 多価不飽和脂肪酸(必須脂肪酸)
アルファリノレン酸、DHA、EPA(亜麻仁油・シソ油など)
積極的にとる
オメガ6 多価不飽和脂肪酸(必須脂肪酸)
リノール酸(コーン油・大豆油など)
減らすようにする
オメガ9 一価不飽和脂肪酸
オレイン酸(オリーブオイル・キャノーラ油など)
加熱調理に適量だけ
GI値とは食後血糖値の上昇を示す指標で、食品に含まれる糖質の吸収度合いを示す、血中の糖濃度計測の値です。
GI値が高いと血糖を脂肪に変えて溜め込もうとする働きが活発になります。
GI値の低い炭水化物は噛む回数が増え、腹持ちのよい食品が多いため、食べ過ぎを防ぐことも可能です。
玄米などの全粉穀物、全粒粉のパンやパスタ、未精製や精製度の低い食品。
白米、精白小麦粉でつくられたパンやパスタ、精製された食品。
マグネシウムやビタミンB6が不足すると、カルシウムが骨になりにくく、健康上のトラブルを招くことがあります。
カルシウムは、マグネシウムとのバランスがとりやすい海藻類や野菜、大豆、小魚などから摂るようにするとよいでしょう。
日本人をはじめ、アジア系人種の成人は、牛乳の消化・吸収に必要な酵素「ラクターゼ」を持っていないため、カルシウムなどの栄養素が吸収されずに排出されてしまうと考えられています。乳製品については、ミネラルバランスを崩しやすく摂りすぎに注意しなければなりません。
豆類は良質なタンパク質、カルシウム、マグネシウム、ビタミンB群、食物繊維が豊富で栄養価に恵まれています。
穀物の中でも特に玄米と大豆製品を組み合わせることで、必須アミノ酸のバランスの良いタンパク源となります。
海水由来の精製されていない天然の塩は、80種類以上ものミネラルが含まれています。
人間の体ではつくり出せないため、ミネラルバランスをもつ天然の塩を積極的に摂り入れていきましょう。
腸は、食べ物を消化・吸収し、残りかすを体外に排出します。
また肝臓は有害物質を解毒してくれる役割を果たします。
食べ過ぎにより腸に負担をかけたり、食品添加物や化学物質などにより肝臓にダメージを与えないように心掛けましょう。